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2013/05/26(日) 合資会社の解散  司法書士 立花 宏
 先日、ある合資会社の代表者の方から会社の解散のご相談をいただきました。
 長年、家族で合資会社を経営してきたのですが、皆が高齢化してきたこともあり、会社を閉じることにしたのだそうです。

 合資会社を清算する方法としては法定清算と任意清算という2種類の方法があります。
 法定清算と任意清算を比較すると、大雑把にいえば、次のような違いがあると思います。
 
 法定清算は、清算人を選任し、清算人が会社の財産を調査をすることになります。清算人は会社の財産の現況を調査し、財産目録と貸借対照表を作成して各社員にその内容を通知しなければなりません。そして、清算人は、社員から請求があれば、毎月、清算の状況を社員に報告する必要があります。そして、債務者に債務を完済したあと、残余財産を社員に分配することになります。基本的には株式会社の清算手続と同じような流れになります。ただし、株式会社の清算手続と異なり、債権者への公告等は必要ありません。

 これに対して、任意清算は清算人の選任は必要ありません。定款又は総社員の同意により、会社の財産の処分方法を定めます。そして、その処分方法に従い清算をする旨及び債権者が一定の期間内(一箇月を下ることはできない)に異議を述べることができる旨を公告等する必要があります。債権者がこの期間内に異議を述べないときは、債権者はこの財産の処分方法を承認したものとみなすことになります。そしてそういった手続が完了すると、債権者は定められた処分方法に従い、各社員に支払等を請求することになります。(論点解説 新・会社法P.612)

さらに、清算の終了の場面も違います。

 法定清算は残余財産の分配が終了し、清算手続が終了したら、清算人は清算に係る計算をして社員の承認を受ける必要があります。これも株式会社と同じような手続です。

 これに対して、任意清算では前述の債権者への公告等の手続をしてその期間が満了し、財産の移転や債務引受等に必要な手続がすべて終了すると清算手続が終了ということになります。

 このご依頼をいただくまで、持分会社の解散のご依頼はいただいたことがなく、法定清算と任意清算の違いはあまり意識したことがありませんでした。任意清算の方が簡単なのだろうというイメージがあったのですが、会社の状況によっては、けっしてそうともいえないのではないかと思います。

 今回は会社の代表者の方や顧問税理士事務所の方と相談の上、法定清算の方法を選択することにいたしました。


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