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2015/05/27(水) 根抵当権者に会社分割があった場合の根抵当権抹消  司法書士 立花 宏
 お客様から、解除を原因とする根抵当権(確定はしていない)の抹消登記をご依頼いただきました。お預かりした、登記義務者である根抵当権者Aの資格証明書(履歴事項証明書)には、根抵当権を解除する前に、Bという会社を新設する会社分割をしていることが記載されていました。
 さて、この根抵当権を抹消するにあたり、Bへの根抵当権一部移転登記は必要でしょうか。

 というのは、元本確定前に根抵当権者を分割する会社分割があったときは、当然に、分割会社と新設会社又は承継会社が、根抵当権を準共有することになるという規定があるからです(民法第398条の10第1項)。
 当然に準共有となるのですから、根抵当権を抹消する前提として、今回の事例でいえば、AからBへの根抵当権一部移転登記は必要なように思えます。

 しかし、根抵当権一部移転登記をせず、Aのみを根抵当権抹消登記の登記義務者とする登記申請も、受理されるとの先例がありました(平成14年12月25日民二第3214号民事局民事第二課長通知)。

 会社分割を原因とする根抵当権一部移転登記も、対抗要件としての登記であり、対抗要件を具備するかどうかは任意であることを理由としているようです。
 会社分割により、いったんは分割会社と新設会社又は承継会社と準共有になった。しかし、新設会社又は承継会社が根抵当権を放棄したりしたことにより、結局、その根抵当権は、分割会社の単有となっているかもしれない。対抗要件の登記は任意なのであり、結局、分割会社の単有となっているのであれば、準共有となったことをあえて登記させるまでの実質的な必要性もないだろう。
 そういった理由から、根抵当権一部移転登記をしていなくても、根抵当権抹消は受理せざるを得ないという結論になったようです。

 まず、原則を考えてみましょう。本事例で、Bが根抵当権の放棄等をしておらず、実質的に準共有状態である場合に、本事例の根抵当権をAのみで解除することはできるでしょうか。
解除は、当事者の一方が数人ある場合は、全員から又は全員に対してのみ、することができるとされています(民法第544条)。
 よって、本事例で、AとBが根抵当権を準共有する状態となり、Bが根抵当権を放棄していない等の状況であれば、Aのみで根抵当権を解除することはできません。
 実体法上は、Bが根抵当権を放棄する等をしていない限り、解除にはBも関与する必要があるというのが前提です。
 しかし、登記手続では、添付書類から、会社分割を原因としてAとBが準共有となったことが判明しても、現時点で、A単有となっている可能性も否定できないため、Aのみが根抵当権を解除したとして、Bへの根抵当権一部移転登記をせずに申請された抹消登記は、受理せざるを得ない、ということのようです。


参考文献
不動産登記実務の視点検淵謄ぅ魯鵝烹隠隠魁腺隠隠簡


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